地球環境や地域社会などに対する持続可能性は、旅行をするときも求められるようになっています。しかし、サステイナブルな旅行とはどんなものなのか、何に配慮すればサステイナブルな形で旅行ができるのかがわからない人もいるでしょう。
本記事では、サステイナブルな旅行をする方法について解説します。個人がすぐに取り組めることも多数紹介するので、地球環境や地域社会を大切にして旅行を楽しみたい人はぜひチェックしてみてください。
サステナブル・ツーリズムとは? エコツーリズムとの違いも解説

近年、持続可能な観光として、サステナブル・ツーリズムが注目されています。サステナブル・ツーリズムとは、旅行者・観光事業者・受け入れ地域にとって持続可能で発展性のある観光のこと。
特定の地域に観光客が過度に集中することで、ポイ捨てされるゴミが増えたり、地域で住んでいる人に迷惑がかかったりするなどの悪影響が生じています。サステナブル・ツーリズムでは、環境に配慮したり、地域の文化・経済によい影響を与えたりする旅行を目指しています。
なお、サステナブル・ツーリズムに似た言葉として、エコツーリズムについて聞いたことがある人もいるでしょう。エコツーリズムとは、自然環境の保全や地域社会への学びを目指す観光のこと。エコツーリズムはサステナブル・ツーリズムの一形態といえます。

サステイナブルに旅行をするには? 個人でもできることやその効果を紹介
サステイナブルな旅行を実現するには、観光事業者だけでなく、旅行する個人・団体の取り組みも不可欠です。ここでは、持続可能な旅行のために、個人でできることやその効果を紹介します。
マイバッグやマイボトル、歯ブラシなどを持参する

旅行先には、マイバッグやマイボトル、歯ブラシなどを持参しましょう。レジ袋やペットボトル、使い捨て歯ブラシなどの使い捨て品を使わずにすむため、プラスチックごみの削減、化石燃料の節約、CO2排出量の削減など環境負荷の低減に貢献できます。
旅行先で買い物する機会もありますが、マイバッグがあればレジ袋を購入する必要がありません。マイバッグは観光中のサブバッグとして使ったり、荷物を整理したりする際にも便利です。また、お土産がスーツケースなどに荷物が入らないときにも役立つでしょう。
マイボトルを持参すれば、移動中・旅行先でいつでも水分補給ができます。自然が多い場所など訪問先によっては自動販売機が近くにないこともありますが、マイボトルがあればどこでも水を飲めます。給水スポットを探せるmymizuなどのアプリを入れておくと、マイボトルに入れた水が足りなくなったときも安心です。
ホテルや旅館に宿泊する場合は、歯ブラシやせっけんなども持参しましょう。使い捨てのアメニティが部屋に用意されていることもありますが、数回使っただけでゴミになってしまいます。普段使っている歯ブラシ、せっけんなどを持っていけば、ゴミを出さずにすみます。自分にあったモノで歯磨きしたり体を洗ったりできる点もメリットです。
自然環境・地域社会に配慮している宿泊施設を選ぶ

サステイナブルに旅行をするなら、自然環境や地域社会に配慮している宿泊施設を選ぶのがおすすめです。まずはグリーンキーやサクラクオリティグリーンなどの環境やサステイナビリティに関する認証があるかをチェックしましょう。
グリーンキーは、世界基準の国際エコラベルです。水やエネルギーの削減、地域の環境保全活動などの基準をクリアしたことを示します。サクラクオリティグリーンは、日本の宿泊施設向けに安全・安心な品質を前提に、持続可能な取り組みを示す認証です。
また、一部の旅行検索サイトでは、独自の基準を設けてサステイナブルな度合いを表示しているところもあります。例えば、楽天トラベルでは、宿泊施設が申告した取り組み内容が一定の基準を満たしている宿に「サステナブルトラベルバッジ」を表示。取り組み内容は宿泊施設の詳細情報の「サステイナブルな取り組み」の欄で確認が可能です。
旅行での移動手段は電車やバスを利用しよう。自家用車や航空機の利用は避けて

サステイナブルに旅行をするなら、電車やバス、自転車、徒歩などのエコな移動手段を利用しましょう。地球温暖化の原因となるCO2の排出量は、移動手段によって大きく異なります。各移動手段での1km移動する際の一人当たりのCO2排出量(g/人・km)は以下のとおりです。
- 自家用自動車|127
- 航空機|94
- バス|63
- 鉄道|17
とくに、鉄道は一人あたり発生するCO2排出量を大きく抑えられるので、旅行先までの長距離移動に活用するのがおすすめです。現地での移動も、バスや自転車、徒歩で行えば旅行でのCO2排出量を減らせます。観光地によってはレンタサイクルを提供しているところもあるので、うまく活用しましょう。
一方、自家用車や航空機は1人あたりのCO2排出量が大きいため、できるだけ避けましょう。自家用車のなかでもガソリン車はCO2排出量が多めです。また、航空機は移動距離あたりのCO2排出量が極めて多いため、多数の乗客が乗っている場合でも、1人あたりのCO2排出量は大きくなってしまいます。
なお、海外など旅行先によっては航空機での移動が避けられないケースもあるでしょう。どうしても飛行機を利用する場合は、直行便を選んだり、荷物をできるだけ減らしたりしましょう。飛行機は離着陸時に多くの燃料を消費するため、乗り継ぎより直行便のほうがCO2排出量を減らせます。また、荷物をできるだけ軽くすることも燃料消費を減らすのに有効です。
ちなみに、電車だと旅行先によっては時間がかかるのがネックですが、移動自体を楽しむのも手です。休暇はまとめて長くとり、ゆっくり移動中を楽しむ工夫をするのもよいでしょう。寝台特急を使うのもよいかもしれません。
混雑する時期・場所を避ける

混み合う時期や場所を避けて旅行するのも、サステイナブルな旅行の仕方としておすすめです。
観光地を訪れる際に、ゴールデンウィークやシルバーウィーク、お盆休みなどの時期を避ければ、旅行先の住民の生活への悪影響を軽減できます。また、混雑を避けることでストレスも減り、快適に旅行を楽しむことが可能です。混雑時は各種チケットの価格が高いことも多いので、混雑時期を避けることは経済的にもお得といえます。
我が家では、ゴールデンウィークやシルバーウィーク、お盆休みといった多くの人が出かける時期は、できるだけ近場で楽しむようにしています。また、夏休みなどに帰省したり、遠方に旅行に行ったりする際は、混みやすい連休やお盆休みの週を避けるようにし、移動は平日に行うようにしています。仕事の調整は必要ですが、同じ旅行をするのでも、混雑期に行くよりはるかに満足度が高いと感じますよ。
旅行先では、地元の食材を活用した飲食店を利用する

旅行先での食事は旅行の楽しみのひとつですが、地元の食材を活用した飲食店を利用することでサステイナブルな形で食事を楽しめます。地産地消することで、輸送で発生する温室効果ガスを抑制でき、食文化の豊かさや、地域の産業を守ることにも貢献できます。
お土産を買う際は、地元で作られた商品や工芸品を選ぶようにすると、地域社会の支援につながります。環境への負荷も考えて、包装が少ないモノ、長く使えるモノをできるだけ選択しましょう。
旅行先には、メジャーでない地域も候補に入れよう
旅行先は雑誌やTV番組などで紹介されている人気の観光地を選ぶ人が多いですが、メジャーでない地域も候補に入れるのもおすすめです。
人気観光地よりも人が少ないことが多く、混雑を避けられるため、景色や文化を落ち着いて楽しめます。人が過剰に集中するオーバーツーリズムの緩和に役立つ点もメリット。自然環境や住民への負担を減らすことにつながります。
地元ならではの歴史や文化、食、人との交流を体験しやすくなり、自分だけの発見や思い出が増える点も魅力です。あまり知られていない絶景や名店、伝統文化に出会えることがあり、印象に残る旅になりやすいといえます。
サステナブルなツアーを利用するのも手

サステイナブルなツアーに参加するのも手です。近年では、サステイナブルやエコを特徴としたツアーも見られるようになりました。
例えば、ガイドと一緒に森や湿地、マングローブなどを巡り、動植物や自然環境について学ぶツアーがあります。自然への影響を最小限に抑えつつ、自然環境への関心を高められるでしょう。
また、森林保全や遊歩道の清掃などの里山保全の活動に参加するツアーもあります。旅行者は自然環境の保護に直接寄与できるうえに、現地の自然も楽しめます。旅行で環境にポジティブな影響を及ぼしたい人におすすめです。
宿泊先でも節電や節水を心がける

宿泊先で節電や節水を心がけましょう。ホテルや旅館で節電・節水をしても宿泊料金は変わらないことが多いですが、地球環境の負荷を軽減できます。宿泊時にできることの例は以下のとおりです。
- 部屋を出るときは照明・テレビ・エアコンを消す
- エアコンは適温(夏は28℃、冬は20℃が目安)に設定する
- 夏場の日中はカーテンを閉めて日差しを遮る
- シャワーで体や髪を洗うときはお湯を止める
- 連泊時にタオル・シーツの交換が不要なときは、「交換不要」の意思表示をする
- 歯磨きや洗顔では、水を流しっぱなしにしない
例えば、連泊するときにタオル・シーツの交換不要と意思表示すれば、不必要な洗濯を避けられ、節水・節電に貢献できます。
旅行以外でもサステイナブルな行動を心がけよう
サステイナブルな形で旅行する方法がわかったら、日常生活でもサステイナブルな行動を取り組んでみましょう。以下の記事では、地球環境のためにCO2排出量を減らす方法、エシカルな消費をする方法を紹介しています。サステイナブルな暮らしをしたい人はぜひチェックしてみてください。





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