環境に優しいエコな洗濯方法を解説。洗濯が及ぼす環境への影響も紹介

脱プラスチック

日々の生活に欠かせない洗濯ですが、環境に多大な影響を及ぼしています。できれば環境に優しいエコな方法で洗濯をしたいものです。

本記事では、エコな形で洗濯をする方法を紹介します。洗濯が及ぼす環境への影響も紹介するので、サステイナブルに洗濯をしたい人はチェックしてみてください。

洗濯が環境に与える影響は?

洗濯は多くの水を利用し、洗濯で汚染された水を排水するため、環境に対してさまざまな影響を及ぼしています。エコな洗濯をするうえで理解することが欠かせない、洗濯が環境に与える影響を解説します。

洗濯の排水により川・海の汚染につながる

洗濯をする際には洗剤を使いますが、洗剤で汚染された水が排出され、川や海の汚染につながります。日本では下水道の人口普及率は81.8%で、住んでいる地域によっては洗濯排水が下水処理場を介さずに川や海に直接流入してしまいます。

合成洗剤はかつて生分解性(微生物によって二酸化炭素や水、無機塩へ分解される性質)がよくないケースがあり、琵琶湖などで赤潮の原因のひとつとなったことがありました。現在では生分解性が改良されているものの、合成洗剤が水生生物に及ぼす悪影響は十分にわかっていない部分も残っています。

なお、下水処理場の処理能力にも限界があるため、下水処理場を介するからといって排水を多く流してよいわけではありません。下水処理場が整備されていない地域はもちろん、下水処理場を介する地域であっても、できる限り汚染された排水を出さない工夫が必要です。

化繊の衣類を洗濯するとマイクロプラスチックが排出される

ポリエステルやアクリルなど化学繊維を使った衣類を洗濯すると、マイクロプラスチックが大量に排出され、海洋の生態系への悪影響が懸念されています。

マイクロプラスチックとは、直径5mm以下の微細なプラスチックのこと。海洋生物が間違えて摂取し、プラスチックに付着した有害な化学物質も体内に取り込んでしまうことから、大きな問題につながる可能性が指摘されてしまいます。

IUCN(国際自然保護連合)によれば、世界の海洋環境に流入する一次マイクロプラスチッ クの年間総量の35%が合成繊維によるものと推定されており、マイクロプラスチック問題の主要な原因のひとつです。洗濯する際はマイクロプラスチックの排出をできるだけ減らす努力が求められます。

参考:IUCN「Primary Microplastics in the Oceans」(P21)

水・電気の利用でエネルギーが消費される

洗濯では大量の水や電気が消費されます。洗濯機の電気使用量は冷蔵庫やエアコンなどに比べると少ないですが、ほぼすべての世帯で使っていることを鑑みると無視できません。また、水を各家庭に送るためにも水道局などで電気を消費しており、水の利用量が多いほど多くの電気が使われます。

日本では発電の約6〜7割を火力発電に頼っている状況なので、電気を多く消費することは多くの化石燃料を使うことにつながり、気候変動にも悪影響を及ぼしています

気候変動を抑制するためにも、洗濯での水・エネルギー消費を減らすことが重要です。

洗濯の仕方によっては衣類の寿命を低下させ資源・エネルギーの無駄遣いに

洗濯は衣類をきれいにするために必要なことですが、過剰な頻度で洗濯・乾燥すると生地が早く傷んでしまいます。生地の傷みが早いと、衣類の寿命が低下し、廃棄される衣類が増大することになるでしょう。

衣類の生産には多くの水やエネルギーなどが使われており、短い期間で廃棄されると多大な無駄が生じてしまいます。環境のためには衣類を洗濯・乾燥する頻度を適切な量に減らすことも重要です。

環境負荷が少ない洗濯方法を紹介

環境負荷を抑えるには、洗濯の頻度や水の使い方、利用する洗剤に配慮する必要があります。ここからは、環境に優しい洗濯の方法を解説するのでチェックしましょう。

洗濯の頻度を減らし、できるだけまとめて洗う

洗濯による環境負荷を減らすのに最も簡単で有効な方法は、洗濯の頻度を減らし、できるだけまとめて洗うことです。例えば、以下のようなことに取り組んでみましょう。

  • 「着たら洗う」ではなく、「汚れたら洗う」に変える
  • 下着以外の衣類(ズボンやスカート、トップス、パジャマ)は原則2回以上使ってから洗濯する
  • 1日の洗濯物が少ないときは、数日に1回まとめて洗濯する

すごく地味な方法なのですが、誰でもすぐ取り組めて、先述した環境への影響に対して効果があります。洗濯すべき衣類が減れば、使用する洗剤の量も、排出されるマイクロプラスチックも、水・電気の消費も削減できます。衣類を長く利用でき、洗濯・乾燥の手間も減らせるので、いいことづくめです。

なお、一度着た衣類は洗濯した衣類と区別できるよう専用のかごに畳んで入れておくのがおすすめです。かごに入れる際もきれい畳んでおけば、シワがなくきれいな状態で再度着用できます。また、子どもの衣類は外遊びなどで汚れやすいことも多いので、各家庭の状況にあわせてできる範囲で洗濯する量を減らすとよいでしょう。

洗濯の水には風呂の残り湯を使おう

洗濯の水には風呂の残り湯を使いましょう。8kgクラスの洗濯機で洗濯すると1回あたり80〜110リットル程度の水が使われます。風呂の残り湯を使えば、洗濯時に水道からの水を新たに消費せずにすみ、大幅な節水が可能です。

主要な洗濯機の機種には風呂水を取り込む機能がついていることが多いので、風呂水用のホースを導入すれば簡単に利用できます。風呂水用のホースは2,000〜3,000円程度で購入が可能です。

我が家では、毎回の選択時に風呂の残り湯を使うようになってからは、毎回の水道代が約1,000〜1,500円減りました。環境だけでなく、家計にもメリットがあります。

なお、洗濯で風呂の残り湯を使うのは「洗い」または「洗い+すすぎ1回目」のみにし、少なくとも最後のすすぎは水道水を使う設定にしましょう。すべての工程で残り湯を使うと、雑菌が衣類に付着し、生乾き臭などの原因になります。

また、入浴剤を使った風呂水は洗濯に利用するのは避けたほうが無難です。入浴剤の色素が衣類に付着する可能性があるほか、成分によっては洗濯機の故障につながるリスクもあります。また、小さい子どもがいる家庭では、浴槽に落ちて溺れる事故を防ぐために、浴槽にお湯をためている間は浴室に入れないようロックをかけるなどの対策もしましょう。

化繊の衣類は洗濯ネットに入れる

フリースなどの化繊の衣類は洗濯用のネットにいれて洗濯をするのが推奨されます。とくに、マイクロプラスチック流出防止用の専用ネットでは除去率が高いとされています。日本では例えば、以下の製品が入手可能です。

なお、環境省の資料によると、通常の洗濯ネットを使うことでもマイクロプラスチックの放出抑制に有効なほか、洗濯機の糸くずフィルタをこまめに掃除することも効果的なようです。

参考:環境省「衣料品から出るマイクロプラスチックの流出防止リーフレット」

乾燥の仕方は自然乾燥がベスト

洗濯したあとの衣類の乾燥は、できるだけ外干しするなどして自然乾燥させましょう。自然の風や太陽の光・熱を使えば、エネルギーを消費せずに乾燥できます。また、衣類乾燥機を使うと衣類のダメージが大きく、衣類の寿命が短くなる点も否めません。乾燥機のフィルタにたまるほこりの量を見れば、衣類が痛みやすいのも納得するでしょう。

衣類乾燥機(ドラム式の乾燥含む)を使うとタオルがふわふわになるものの、環境へのマイナス面がかなり多いと感じます。我が家はかつて衣類乾燥機をほぼ毎日使っていましたが、環境を意識しはじめてからは、雨の日で乾きにくい日や花粉の飛散が多い日などに限定して使うようにしています。

乾燥機を使う場合は、容量を正しく守って使い、こまめにフィルタを清掃するようにしましょう。フィルタにほこりが溜まっていると乾燥時間が長くなり、より多くのエネルギーが消費されてしまいます。こまめに掃除をすることで、効率よく乾燥が可能です。

乾燥機の効率を上げたいのであれば、ウールボールを使うのもおすすめです。羊毛のボールが水分を給水して乾燥機内での乾燥を促し、乾燥時間を短縮できます。乾燥時間が短縮されるので、その分エネルギーの節約になるでしょう。

エコな洗濯洗剤を選ぼう

できるだけ環境に配慮して洗濯したいなら、洗濯洗剤にこだわってもよいでしょう。ここでは、エコな洗濯洗剤を選ぶポイントを解説します。

生分解性のあるものを選ぶ

石油由来の成分は生分解性に時間がかかる傾向があるため、自然由来の成分でできた生分解性が高いものを選びましょう。せっけんを使うのもおすすめです。

石油由来の成分が含まれている商品でも生分解性が改良されている印象ですが、環境への影響がわからない部分がある点は否めません。化石燃料の使用を減らすためにも、石油由来の成分を主原料にする合成洗剤は避けるのが無難だと私は考えています。

ちなみに、我が家では、サラヤ株式会社の「ヤシノミ洗たく洗剤 濃縮タイプ」をメインに使っています。植物由来の洗浄成分100%で、蛍光剤や漂白剤、合成香料などは一切使っていないので安心して利用が可能です。洗浄能力も数年以上使っていますが特に問題ありませんよ。

パッケージは詰め替え用を選ぶ

洗濯洗剤は消耗するものであるため、そのパッケージの環境負荷も甚大です。プラスチックボトルの代わりに詰め替え用のパッケージのものを選べば、家庭から出るプラごみの量を減らせます。

近くの店で洗剤の量り売りをしているところがあれば、利用するのがベストです。例えば、エコストアや斗々屋、無印良品(一部店舗のみ)などで洗濯洗剤の量り売りが利用できます。量り売りなら持ち込んだ容器に入れられるので、購入時にプラスチック容器が一切発生しません。

認証マークを目安にしよう

洗剤選びに迷ったら、エコマークやRSPO認証マーク、エコサート(ECOCERT)認証マークなどがついている商品を選ぶとよいでしょう。

エコマークは、ライフサイクル全体で環境負荷が少ないと認められた製品につけられます。RSPO認証は、環境破壊や人権侵害に配慮して持続可能な方法で生産されたパーム油を使っていることを保証する認証です。エコサート認証は、オーガニック基準をクリアした製品に付与されます。

認証マークがない製品でも環境に優しい商品はあると思いますが、一般の人がどれがエコな商品かを選ぶのは困難です。グリーンウォッシュと呼ばれるエコに見せかけているだけの商品もありますが、見分けるのは厳しいと思います。認証がついているものであれば、環境への優しさがある程度以上担保されているので、商品選びの参考にするとよいでしょう。

洗濯を干す際に使う道具もエコに配慮しよう

洗濯ものを干す際に利用する、洗濯ばさみやハンガーなどのグッズもできるだけエコに配慮しましょう。

例えば、プラスチック製の洗濯バサミは外で利用すると、太陽の光を浴びて劣化してしまうため、長くは使えません。我が家の洗濯バサミは3〜5年程度したらプラスチックの部分が割れてしまいました。洗濯バサミやハンガーはステンレス製のものなど、長く使えるものを選びましょう

なお、現在使っているものはできる限り長く使うのが基本です。家にあるものがエコでないと感じたとしてもすぐ処分するのはエコではありません。大事に使ったうえで、破損して買い直す際にエコな商品を選ぶようにしてください。

洗濯でエコのことを考えるなら、衣類は自然素材で環境に優しいものを選ぶことも大切

洗濯をエコにしたいのなら、普段使う衣類はできるだけ天然素材(綿、麻、ウールなど)のものを中心にするのがおすすめです。

ポリエステルやナイロン、アクリルなど化学繊維が含まれている衣類を洗濯すると、マイクロプラスティックの流出が懸念されます。専用のネットに入れることで流出量を減らすことは可能ですが、ゼロにはなりません。

ちなみに、私は環境のことを意識するようになってからは、衣類を購入するときに素材をよくチェックするようになり、下着のシャツやパンツ、靴下(ゴム部分は除く)は綿100%のものを選ぶようになりました。

なお、衣類で多く利用されている綿ですが、綿の栽培には大量の農薬が使われることが多く、土壌への悪影響が懸念されます。綿の衣類を購入するのならできるだけオーガニックコットン製のものを選びましょう

洗濯以外でもエコでサステイナブルな生活の仕方をチェック

本記事では、エコロジーな洗濯方法を紹介してきましたが、洗濯以外でも環境に影響を与えています。環境に及ぼす影響のなかでも、影響力が大きく、緊急性も高いのが気候変動(地球温暖化)です。

以下の記事では、気候変動の主な要因である温室効果ガスを減らす方法を紹介しています。普段の生活でできることを多く紹介しているので、エコでサステイナブルな生活をしたい人はぜひ参考にしてみてください。

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