再生可能エネルギー100%を提供する電力会社はある?環境にやさしい電力会社を厳選して紹介

脱炭素

未来の環境のことを考えて、太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電された電力を利用したい人も増えてきています。しかし、再生可能エネルギーの電力を提供している電力会社はあるのか、再生可能エネルギーの比率はどのくらいあるのか、電力会社によって何が違うのかなど、気になることが多い人もいるのではないでしょうか。

本記事では、再生可能エネルギーの比率が高い電力会社や実質再生可能エネルギー100%のプランを提供している電力会社を紹介しています。より環境にやさしい電力会社の選び方も解説しているので、環境のことを考えて電力会社を決めたい人はぜひ参考にしてみてください。

電力会社が提供している「実質」再生可能エネルギー100%とは?

実質再生エネルギー100%の電力とは、調達したのが火力発電の電気であっても、クリーンな環境価値をもつ「非化石証書」と組み合わせることで、再生エネルギー100%によるとみなされる電力のこと。

太陽光や風力などで発電した電力も火力で発電した電力も同じように使えますが、(太陽光・風力で発電した電力の価値)は(電力の価値)+(環境の価値)と考えられています。この環境価値を持つ証書を非化石証書といい、非化石証書を買えば普通の電力をクリーン電力とみなせる仕組みです。

実質再生可能エネルギー100%の電力は、必ずしも再生可能エネルギーで発電された電力ではありませんが、非化石証書を購入することにより、環境にポジティブな影響を及ぼします。非化石証書の購入の対価は、再生可能エネルギーなど非化石電源で発電する事業者に支払われるため、再生可能エネルギーの発電所の支援につながります。

再エネの電力を提供している、より環境にやさしい電力会社の選び方

実質再生エネルギー100%の電力プランを提供している電力会社は多くあるものの、何が違うのか、環境にやさしいのはどの電力会社かがわからず、迷っている人もいるでしょう。ここからは、一部またはすべてを再生可能エネルギーで提供する電力会社のなかで、より環境にやさしい電力会社の選び方を解説します。

電源構成で再生可能エネルギーの比率が多いところを選ぶ

温室効果ガス削減に貢献したいのなら、電源構成で再生可能エネルギー比率の高い電力会社を選びましょう。実質再生可能エネルギー100%のプランを提供している電力会社であっても、電源構成はさまざまで、火力発電所や再エネ以外の電力も含む卸電力取引所などの割合が多いケースも見られます。か

電源構成のうち、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などと記載されているものや、FIT電力と記載されたものは、再生可能エネルギーで発電された電力です。なお、FIT電力とは、電力会社が再生可能エネルギー発電所から一定期間固定した価格で買い取る制度で調達された電力のことを指します。

発電所の開発で環境に配慮しているかもチェックしよう

環境にやさしい電力会社であるかを見極める際は、環境に配慮した開発が行われているかもチェックしましょう。

再生可能エネルギーは発電時にCO2を出さないものの、発電所の開発で自然環境に悪影響を及ぼすケースもあるので注意が必要です。例えば、メガソーラーの発電所の建設では、過去に森林を大規模に伐採して土地を確保しているケースもあります。環境にいいはずの太陽光発電で、森林などを破壊しているのは環境によいといえません。電力会社が再生エネルギーを調達する先の発電所に方針を設けていると安心でしょう。

電源構成で再エネ比率が高い電力会社のおすすめを厳選して紹介

前述した選び方に従い、電源構成で再エネ比率が高いおすすめの電力会社を厳選して紹介します。各電力会社の特徴も解説しているのでチェックしてみてください。

みんな電力

出典:みんな電力公式サイト

みんな電力は株式会社UPDATERが提供している電力サービスです。主要なプレミアム100プランの2024年度実績では、電源構成がFIT電気が85.2%、再生可能エネルギーが14.8%で合計100%(※)。事故などやむを得ないときは再生可能エネルギー以外の電力を調達することもありますが、非化石証書(再エネ指定)により実質再エネ100%を実現できます。

再生可能エネルギーの発電所を直接応援する仕組みがある点もポイント。自分の応援したい発電所に毎月100円支援できるので、再エネ発電所を増やしたい人に向いています。

また、みんな電力は「電力調達ポリシー」を定めており、自然環境に悪影響を及ぼす土地改変や一定面積以上の林地開発を禁止しています。真に環境のことを配慮している電力会社だと感じます。ちなみに、私が加入しているのは、みんな電力のプレミアム100プランです。

※参考:みんな電力「電源構成について」

ハチドリ電力

出典:ハチドリ電力公式サイト

ハチドリ電力は株式会社ボーダレス・ジャパンが提供する電力サービスです。電源構成はFIT電気98.4%、再生可能エネルギー1.6%で100%(※)。非化石証書も取得しているので、再生可能エネルギー100%の証明もあります。

ハチドリ電力に支払う電気代の1%が、自然エネルギーの発電所増設のための基金になる点も環境を大切にしたい人にはメリットでしょう。加入するだけで日本全体の再生可能エネルギー比率を増やす活動を支援できます。

発電所で山林伐採などの大規模開発を伴うメガソーラーは利用しない点も特徴です。既存の屋根や農地を活かした発電を選んでいることから、環境に配慮していることがうかがえます。

※参考:ハチドリ電力「2024年度の電源構成実績のお知らせ」

生活クラブでんき

出典:生活クラブでんき公式サイト

生活協同組合の生活クラブが提供している電力が「生活クラブでんき」です。再エネとFIT電気の合計の比率は92.1%です(※)。一部の電気は卸電力取引所などからも調達しています。なお、一部の再エネ100%プランでは非化石証書も利用しています。

なお、生活クラブでんきを利用するには、生活クラブ生活協同組合に加入する必要があります。生活クラブは食の安全性の観点から国産中心で、農薬や添加物をできるだけ使わない食材を提供しています。農業の持続可能性の観点からも望ましいので、電力の見直しを機会に加入を検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、我が家も生活クラブに加入しており、食材の多くを生活クラブ経由で調達しています。

※参考:生活クラブでんき「みんなでつかう」

パルシステムでんき

出典:パルシステムでんき公式サイト

生活協同組合のひとつであるパルシステムが提供している電力が「パルシステムでんき」です。2025年度の計画では、再エネが47.5%とFIT電気が23.0%で合計70.5%です(※)。それ以外はおもに卸電力取引所から調達しています。

また、持続可能性と環境保護を重視した再生可能エネルギー主体の子どもたちが安心して暮らせる社会を目指しており、環境を配慮しながら電力サービスを提供している点がうかがえます。

※参考:パルシステムでんき「電源構成|2025年度計画」

実質再生エネルギー100%のプランを提供する電力会社はほかにもある。電源構成も紹介

実質再生エネルギー100%のプランを提供する電力会社はほかにもあります。ただし、電源構成を見ると火力発電や卸電力取引所の比率が高い電力会社が多い点には注意が必要です。

ここでは、実質再エネ100%のプランがある主な電力会社、電力会社全体の電源構成を一覧で紹介します。

電力会社実質再エネ100%のプラン電力会社全体の電源構成
東京ガスさすてな電気LNG火力:77%
卸電力取引所:17%
石炭火力:3%
など(※1)
コスモでんき
(コスモ石油マーケティング)
コスモでんきグリーンFIT電気:32%
石油火力:31%
卸電力取引所:20%
など(※2)
CDエナジーダイレクトCDグリーンでんきLNG火力:50%
卸電力取引所:19%
石炭火力:9%
など(※3)
オクトパスエナジーグリーンオクトパスLNG火力:77%
卸電力取引所:17%
石炭火力:3%
など(※4)
エバーグリーンスマートゼロプラン卸電力取引所:100%
(※5)
シナネンシナネンあかりの森でんきガス火力:45%
卸電力取引所:45%
など(※6)
イデックスでんき(新出光)ECOベーシックプラン卸電力取引所:61%
石炭火力:9%
FIT電気:8%
原子力:7%
LNG火力:6%
など(※7)
auでんき
(auエネルギー&ライフ)
ecoプラン卸電力取引所など:64%
石炭火力:13%
LNG火力:13%
FIT電気:6%
再生可能エネルギー:3%
など(※8)
ソフトバンクでんき
(SBパワー)
自然でんき卸電力取引所:44%
石炭火力:12%
LNG火力:9%
水力:5%
FIT電気
など(※9)
ドコモでんき
(NTTアノードエナジー)
ドコモでんきGreenLNG火力:27%
石炭火力:17%
卸電力取引所:14%
FIT電気:5%
原子力:3%
など(※10)

※1:東京ガス「さすてな電気・オール電化向け料金メニュー<時間帯別プラン>の電源構成」
※2:コスモ「でんきの仕組み・エコ活動」
※3:CDエナジー「当社の当社の電源構成および非化石証書の使用状況況(2023年度実績値)」
※4:オクトパスエナジー「電源構成及び非化石証書使用状況」
※5:エバーグリーン・リテイリング「電源構成比・CO₂排出係数|エバーグリーン・リテイリング
低圧向けメニュー」

※6:シナネン「当社の電源構成について」
※7:イデックスでんき「電源構成」
※8:auでんき「電源構成・非化石証書使用状況・CO2排出係数」
※9:ソフトバンクでんき「電源構成について」
※10:ドコモでんき「電源構成|ドコモでんき Greenの電源構成」

大手電力会社でも再エネ100%プランはある?電源構成も解説

一部の大手電力会社でも、契約によっては実質再エネ100%のメニューを利用可能です。例えば、関西電力では、通常のプランに再エネECOプランの特約をつけ追加料金を支払うことで、実質再エネ100%の電力を利用できます。

ただし、調達している電力のうち、再生可能エネルギーの割合はかなり低めです。東京電力エナジーパートナーや関西電力などの再生可能エネルギー比率は、1〜7%程度。FIT電気とあわせても10%程度です。

電源構成は各エリアの電力会社によって異なります。2024年度の各社の主な電源構成は以下のとおりです。

電力会社直近の電源構成
東京電力エナジーパートナー
(※1)
LNG火力など:46%
石炭火力:27%
卸電力取引所:9%
FIT電気:6%
再生可能エネルギー:2%
関西電力
(※2)
原子力:25.8%
石炭火力:21.6%
卸電力取引所:17.2%
LNG火力:17.1%
水力:7.9%
FIT電気:3.5%
再生可能エネルギー:0.5%未満
中部電力ミライズ
(※3)
LNG火力:44%
石炭火力:19%
卸電力取引所:11%
FIT電気:6%
再生可能エネルギー:3%
九州電力
(※4)
原子力:37%
石炭火力:22%
LNG火力など:15%
FIT電気:12%
再生可能エネルギー:2%
東北電力
(※5)
石炭火力:34%
LNG火力:31%
FIT電気:8%
再生可能エネルギー:7%

水力:3%
中国電力
(※6)
石炭火力:35%
卸電力取引所:27%
LNG火力:11%
FIT電気:10%
原子力:4%
四国電力
(※7)
石炭火力:23%
卸電力取引所:20%
原子力:13%
FIT電気:10%
再生可能エネルギー:1%未満
北陸電力
(※8)
石炭火力:40%
水力:25%
LNG火力:7%
FIT電気:5%
再生可能エネルギー:1%未満
北海道電力
(※9)
石炭火力:38%
LNG火力:11%
卸電力取引所:11%
FIT電気:8%
再生可能エネルギー:5%

※1:東京電力エナジーパートナー「電源構成・非化石証書の使用状況|2024年度実績」
※2:関西電力「電源構成およびCO2排出係数|2024年度実績」
※3:中部電力ミライズ「当社の電源構成および非化石証書の使用状況|2024年度実績値」
※4:九州電力「当社の電源構成・非化石証書使用状況・CO2排出係数[小売供給分]」
※5:東北電力「当社の電源構成および非化石証書の使用状況」
※6:中国電力「当社の電源構成・CO2排出係数」
※7:四国電力「電源構成・非化石証書使用状況・CO₂排出係数」
※8:北陸電力「当社の電源構成・CO2排出係数」
※9:北海道電力「電源構成・CO2排出係数」

個人が再生可能エネルギー比率が高い電力会社を選ぶメリット

近年では地球環境のことを真剣に考える消費者も増えてきており、再生可能エネルギーの電力プランを選ぶ人も増えてきています。ここからは、個人が再生可能エネルギー比率の高い電力会社を選ぶメリットを解説します。

気候変動の抑制など環境保護に貢献できる

再生可能エネルギー比率の高い電力会社を選べば、発電所拡大を応援することにつながります。日本全体の発電量の再生可能エネルギーの比率を上げることにもなるため、発電起因のCO2排出を減らし地球温暖化(気候変動)の抑制に貢献可能です。

一人ひとりが環境のことを考えて電力会社を選ぶようになれば、火力発電中心から再生可能エネルギー中心の社会に変えていく力になります。電力会社を変えるだけで環境保護に貢献でき、社会の役に立つのは大きなメリットといえるでしょう。

将来の電気料金の安定にもつながる

再エネ比率の高い電力会社を利用すれば、将来の電気料金の安定化にもつながります。再生可能エネルギーは、太陽光や風力など自然のエネルギーを活用しているため、電気料金は化石燃料など燃料費の変動の影響を受けにくい点が特徴です。

化石燃料のほとんどを輸入に依存している現状の日本では、燃料費の変動をすぐに受けてしまいます。過去にはウクライナ情勢でLNG価格が上がり、大手電力会社の電気料金が値上げされました。電力会社の料金プランにもよりますが、再生可能エネルギーの比率が多い電力会社から電気を調達すれば、このような影響を抑えやすいでしょう。

再エネ比率が高い電力会社に切り替える際のよくある質問

再生可能エネルギー比率の高い電力会社に切り替えを検討しているものの、電気代は高くなるのか、簡単に手続きできるのかなどが気になる人もいるでしょう。ここからは、再エネ比率が高い電力会社に変更する際のよくある質問を解説します。

電気代は高くなる?

既存の電力会社・プラン、変更後の電力会社・プラン、電力の使用状況によって高くなる可能性も低くなる可能性もあります。世界的に太陽光発電や風力発電のコストは大幅に下がってきており、コスト面でも火力発電より有利な場合が増えてきているため、電気代がさほど変わらないケースもあるでしょう。

変更後の電気代が気になる人は事前にシミュレーションしてみましょう。ちなみに、我が家では「みんな電力」のプレミアム100プランに加入しましたが、以前より月々の電気代は上がっていません。また、電力会社の変更は簡単にできるので、まずはお試しするのも手です。

電力が停電になったり不安定になったりすることはある?

実質再生可能エネルギー100%のプランにしても、電源構成で再生可能エネルギーの比率が高い電力会社にしても、停電になったり電力が不安定になったりすることはありません

太陽光発電でも風力発電でも火力発電でも、発電された電力は送電網に送られ、送配電網を介して家庭に電力が届く仕組みです。電力の安定性を担っているのは、東京電力パワーグリッドや関西電力送配電などの送配電の会社であり、電力会社や発電方法は電力の安定性に影響しません

ちなみに、電力の不安定が懸念がされるのは、将来、日本全体で再生可能エネルギー比率が大きくなった場合です。その場合でも、さまざまな技術の導入で対処が行われるでしょう。現時点ではさほど心配する必要はありません。

電力会社の切り替え手続きは面倒?

簡単にできます。

現在加入している電力会社検針票を用意しておけば、10分程度あれば手続きが可能です。手続きは新しい電力会社への申し込みだけで完了します。

賃貸のマンション・アパートでも切り替えできる?

できます。
持ち家でも賃貸でも、一戸建てでも集合住宅でも可能です。

自分の住んでいる地域でも利用できる?

多くの電力会社は全国で利用できますが、一部の電力会社は利用できる地域が限られています。例えば、東京ガスが提供するさすてな電気の対応エリアは、東京電力供給エリアのみです。提供エリアは希望する電力会社の公式サイトなどで確認しましょう。

エコな電力会社を選んで地球環境を守ろう

普段利用している電気の購入先を再生可能エネルギーの比率が高い電力会社に切り替えるだけで、CO2排出量削減につながり、大きな社会貢献になります。切り替え手続きは10分程度ででき、電力が不安定になる心配もありません。環境のために何かしたい人はぜひ電力会社の切り替えからはじめてみてください。

CO2排出量の削減に貢献したい人は、個人でできることをチェック

気候変動に大きな影響を及ぼしているのがCO2などの温室効果ガスです。温室効果ガスの排出量を減らしたいものの、クリーンな電力会社に切り替える以外にどんな方法があるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

以下の記事では、CO2などの温室効果ガス削減のために個人でできることを紹介しています。気候変動の問題に対して自分ができることがあるか知りたい人はぜひチェックしてみてください。

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